

エクステリアデザインのうえで重要な要素のひとつであるフェンス。家の印象を左右するものだからこそデザインへのこだわりが強くなってしまい、どのくらいの高さのものを設置すればよいか、実用性と兼ね合いを考えたとき迷う方が多いのではないでしょうか? そこで今回は、重視するポイントをプライバシー、防犯対策、デザイン別に分けた、フェンスの高さの選び方を紹介します。
プライバシーを守るフェンス
自宅と外の境界として設置されるフェンスには、外と内を隔てるだけでなく、プライバシーを守るという機能があります。自宅でゆっくりとくつろごうと思っても、ショールームのように外から家の中まで見えてしまうような場所ではそうはいきません。
プライバシーを守り、外からの視線を遮ることを目的とする場合には、比較的高めのフェンスを設置します。歩行者からの視線を前提とする場合には、1.5~1.8メートル程度の高さがよいといわれています。平均的な日本人が、背伸びをしてのぞき込まないと中が見えない程度の高さと考えるとよいでしょう。また、プライバシーを守るのに適したフェンスの種類としては周囲を完全に覆ってしまうタイプや、風を通すすき間が開いたタイプ、ウッドフェンスのような大きめの網目状になった半分目隠しタイプなどがあります。視線を遮ることを前提に、通気性やデザインなどその他の機能面も考慮して選びましょう。
防犯対策としてのフェンスの役割
フェンスの防犯機能を重視する場合、重要になるのが外からの見通しのよさです。
高いフェンスや、視線を完全に遮る壁などは一見外部からの侵入を防いでくれそうですが、いったん家の敷地内に侵入されてしまえば、侵入者を外部の視線から守る目隠しになってしまいます。
防犯を目的にする場合には、周囲から見渡しやすい格子状のフェンスが適しています。フェンスは腰の高さから1.4メートル程度までがよいでしょう。小柄な女性でも難なく侵入者を見つけられる程度の高さが理想です。
足をかけるスペースのない縦格子や、フェンスの上部がとがった「忍び返し」機能のあるデザインのフェンスを選ぶとよいでしょう。
フェンス+生け垣で外観も美しく
プライバシーや防犯といった機能面はもちろん、外観にもこだわりたいという場合には、フェンスと生け垣を組み合わせたデザインが人気です。
そもそも生け垣は、フェンスと同じ家の敷地と外部を隔てるという機能があります。フェンスだけではどうしても殺風景な印象を与えてしまいますが、生け垣や植栽などのグリーンをプラスすることで、外観に彩りを与えてくれます。防犯機能を重視するなら、カラタチやヒイラギといったトゲのある植物を生け垣に使用するのもよいでしょう。
目的に合ったフェンスの高さを選ぼう
フェンスにどのような機能を求めるかによって、フェンスの高さやデザインなども変わります。プライバシーを重視するのか、防犯を重視するのか、両方をバランスよく取り入れるのか、目的に合わせて最適なフェンスの種類と高さを選んでみてくださいね。