

エクステリアのなかでも、隣の家や道路との境界の役割を果たすフェンスは、目隠しとしても重要です。最近のトレンドとしては、風通しの良さ、採光、遮視性を兼ね備えたフェンスの人気が高まっています。プライバシーと防犯の両方を確保する、ヒトの視点に立ったフェンスの設置のポイントをご紹介します。
フェンスの役割
フェンスには敷地の境界線を明確にする以外に、「プライバシー保護」と「防犯」という2つの大きな役割があります。
プライバシーの確保
自宅でくつろいでいるときに、道を歩く人や隣家の人と目が合ってしまったら・・・・・そんな状況では、リラックスできません。フェンスは、外から家の中が見えてしまわないよう外部からの視線をさえぎり、家の中からも外への視界をさえぎる、という風に双方向からプライバシーを確保するために設置されます。
防犯効果
フェンスのもうひとつの大切な役割は防犯対策です。フェンスや塀など何もさえぎるものがなければ、誰でも自由に自宅の敷地内に入ることができてしまいます。フェンスで敷地を囲うことにより境界が明確になり、ここから先は侵入してはいけないという心理的な抑止効果を生み出します。
フェンス設置のポイント
実際にフェンスを設置する際は次の4つのポイントに注意しましょう。
フェンスの種類
フェンスには大きく分類して、完全に隠すタイプのものと、格子のように完全に隠さないタイプのものがあります。プライバシーの確保を優先するなら前者、防犯を意識するなら後者が適しています。
プライバシーを確保しつつ、防犯効果も兼ね備えたものとして、不透明の樹脂パネルやガラスを使った新しいタイプのものもあります。
隣地・道路との境界から、建物までの距離(離れ寸法)
フェンスの設置にあたって境界から建物までの距離も重要なポイントです。ここの距離がどのくらいあるかによって、設置可能なフェンスや、その高さも変わってきます。
境界から建物までの距離があまりない場合は、通行スペースを確保したうえで、プライバシーや防犯といった機能を満たしたものに限られますが、敷地に余裕がある場合は、植栽と組み合わせるといった工夫をすることも可能でしょう。
フェンスの高さ
フェンスの高さを決める際、基準となるのは人間が立ったときの視線の高さ(地上から1.5~1.8m程度)です。プライバシーの保護を優先する場合には、少なくとも1.5m以上の高さがあるフェンスを選びましょう。
フェンスの高さが高くなるほどプライバシーは保護されますが、外の人に圧迫感を与え、住む側からの見晴らしの良さや日当たりの低下、防犯の面で侵入者に死角を与えてしまうなどのデメリットもあります。こうした点も考慮してフェンスの高さを決めるようにしましょう。
防犯機能のあるフェンス
防犯機能を高めたフェンスも数多くあります。縦格子が突き出したタイプや上部が尖ったタイプのフェンスは、侵入者を阻む効果があります。防犯効果を高めつつ、ソフトでおしゃれな印象を与えるテクニックとして、カラタチやヒイラギなどトゲのある植物をフェンスと組み合わせて植えるのもおすすめです。
ヒトの視線を意識したフェンス計画を
フェンスを設置する際には、プライバシーの確保と防犯の観点から種類や高さを決めることが重要です。また、フェンスには目隠しだけでなく、外の景色を切り取って借景するという使い方もあります。「ヒトの視線」に基づいたフェンス計画で住みよい住まいを手に入れましょう。