
お寺や神社、日本庭園などで必ず見られる苔。これまでは庭園の中の脇役という存在でしたが、最近は「苔」の魅力が見直されています。苔を楽しむ苔庭や、観葉植物としての「苔玉」なども登場しているほど。また、CO2削減など環境問題対策に有効であることにも注目が集まっています。あまり知られていない苔の魅力をご紹介します。
和の魅力溢れる苔庭に注目が
京都の西芳寺の庭園のように一面苔が蜜生した庭は「苔庭」と呼ばれます。みずみずしい緑が神秘的で、しっとりとした和の趣や重厚感をかもしだしています。このような苔庭は和モダンな雰囲気にぴったり。半日陰で湿った環境を好み、生育するのに長い年月が必要な苔は個人では育てるのは難しいとか。しかし、最近ではシート状の苔を移植するだけで手軽に苔庭を作ることができる製品も登場。軽くて手入れも楽なシート状の苔は和のガーデンデザインでよく取り入れられています。
緑化やヒートアイランド対策としても
苔は水分を含みやすく周囲の気温を下げる効果が高いため、地球温暖化対策のひとつとしてビルや工場の屋上、外壁などの緑化に活用されています。夏は建物の熱負荷を大幅に低減し室内の温度上昇を押さえ、冬は外に室温が逃げるのを防ぐ保温効果を発揮します。このことにより、冷暖房経費を抑えることができるため、省エネにもつながります。ほかにも、ヒートアイランド現象の防止、建築物の保護、雨水流出の緩和などの効果も期待されています。
軽量なので、建物への重量面の負担をあまりかけることなく取り入れられます。また、見た目にも美しく、なんとなくほっとするといった安らぎを感じられるところも苔の魅力です。
苔はどうやって育てる?
自宅の屋上緑化や苔庭を作る場合には、苔シートの利用がお勧めです。
育て方のポイント
- 日当たりや周囲の建物・ほかの植物との配置を考えて適切な種類を選ぶようにする
- 苔の特性に応じて培養土や砂利を配合した土に、苔シートを並べて上から押さえて圧着させたら、たっぷりの水を与る
- 植えてから2ヶ月程度は日々のこまめな水やりを欠かさない
- しっかりと定着したら、表面が白っぽく乾燥してきた頃に水をたっぷり与える
苔にはスナゴケのように日向を好むタイプもあるので日当たりがよすぎるから、とあきらめる必要はありません。水やりや肥料をほとんど必要としない手間がかからない苔もあります。自宅の環境に合った種類を選んで楽しんでみてください。

手軽に楽しむなら「苔玉」がおすすめ
手軽にインテリアやエクステリアのアクセントとして楽しみたいなら苔玉がおすすめです。苔玉は丸い球体状の土に草花などを植え苔を巻きつけたもので、水を張った花器に飾って楽しみます。置くだけで一気に和の雰囲気をプラスしてくれます。インテリアとしてもかわいらしく、苔玉がひとつあるだけでアクセントになります。シダ植物の一種であるシノブと組み合わせて苔玉を作り針金をかけて軒先につるして楽しむ「吊りしのぶ」も人気です。
苔を取り入れた庭作り
一見地味な存在の苔ですが、エクステリアに取り入れることで庭の雰囲気を変えてくれます。また、省エネや温暖化対策としても効果があるなど、おうちにプラスになる魅力がたくさん。これを機に苔アートや苔のある庭作りに挑戦してみてはいかがでしょうか?






