
手入れの行き届いた庭で美しい緑や花に囲まれて過ごす時間は、人生を豊かにしてくれます。近ごろ50~60代のシニア層を中心に、現状の庭に関する悩みを解消しつつ将来の暮らしの変化にも対応した「リガーデン」を希望される方が増えています。いつまでも庭仕事を楽しむためのリガーデンと、それを実現するための外構工事のポイントをご紹介します。
リガーデンが必要な理由は?
リガーデンとは、生活の変化に合わせて庭のデザインを変える、いわばリフォームのようなものです。これまで庭木の手入れやガーデニングを趣味として楽しんできた方でも、高齢になると力仕事が負担になってしまいます。例えば、高所での植栽の剪定は、高齢者にとって重労働なうえに危険も伴う作業です。また、花の植えつけや草むしりといった屈んだ姿勢での作業も、腰への負担が大きいでしょう。高齢者が無理をすることなく美しい庭を維持するには、手入れが楽で使い勝手のよい庭へのリガーデンが必要です。
リガーデンのポイントはバリアフリー視点の外構工事
リガーデンをする際は、車椅子での生活を想定したバリアフリーデザインを採用することで、長期的な暮らしの変化にも対応できるようにします。ここでは、リガーデンの外構工事における3つのポイントをご紹介します。
1. 管理しやすく
手入れが必要な土のエリアは、無理のない範囲にとどめましょう。メインガーデンにウッドデッキやガーデンルームを設けたり、コンクリートやタイルで小道を作ったりすることで上手に土の面積を減らし、管理の省力化を図ります。
2. 作業しやすく
屈んだ姿勢での作業は、年齢とともに体への負担が大きくなります。縁側やベンチのような座れる場所をつくると、作業の合間に休憩することができます。さらに、ベンチとともにレイズドベッド(60cmほどの高さのある立ち上げ花壇)を設置すれば、座ったままでの作業もできるようになります。また、レイズドベッドであれば、車椅子に座ったままでもガーデニング作業が可能です。ほかにも、立ったままで使える立水栓をはじめ、屈む頻度を減らせるエクステリアを配置することで、体への負担が軽減されます。
3. 移動しやすく
庭に階段があると、高齢者にとっては移動時の負担となり、車椅子での移動も困難になってしまいます。そこで、室内から庭までを楽に移動できる動線を確保しましょう。段差を15cm以下にしたうえで手すりを設置したり、段差を解消して車椅子でも移動可能なゆるやかなスロープを設けたりすることをおすすめします。
早期のリガーデンで豊かなガーデンライフを実現しよう
早めに将来を見据えたリガーデンの計画を立てておけば、暮らしの変化に柔軟に対応できます。小さくても手入れの行き届いた庭はくつろぎのスペースとなり、心に癒しをもたらします。また、育てた緑や花を見て楽しむために庭に出ることで外気浴の機会が増え、指先を使う適度な庭作業によって心身の活性化も期待できます。リガーデンで実現する豊かで快適なガーデンライフは、人生にうるおいを与えてくれることでしょう。