
新築外構で駐車場を検討する際に、コンクリート打ちを希望するケースが増えているそうです。土のように埃がたったり雨でぬかるんだりすることがなく、メンテナンスの手間がかからないことが人気の理由でしょう。しかし、コンクリートの特性をよく理解していないと、思わぬ落とし穴にはまるかもしれません。今回は、コンクリートの弱点と、その弱点をカバーする方法についてご紹介します。
コンクリートの駐車場は万能ではない
コンクリートの駐車場は耐久性が高く、雑草引きの手間がかからないというメリットがあります。しかし、次のような弱点も抱えています。
ヒートアイランド現象の原因に
気温が高くなると、地表は水蒸気を拡散させて気温を下げようとします。しかし、地表がコンクリートで覆われてしまうとこの働きが失われ、ヒートアイランド現象の原因となるのです。室内が暑いと感じる理由は、もしかしたらコンクリートの駐車場からの熱にあるのかもしれません。
無機質で単調な印象を受ける
コンクリートはモダンな雰囲気に仕上がるため、デザイン面に魅力を感じて選ぶ方が多いようです。ところが、駐車場全体をコンクリート打ちにすると、無機質で単調な印象を受ける場合もあります。また、車止め以外にも目印がないと、車を停める位置がわかりづらい可能性があります。これらは、実際に駐車場を使ってみて、初めて気づくことかもしれません。
経年劣化でひび割れが生じる
コンクリートはある程度の吸水性があり、水はけのよい素材だといわれます。しかし、水分を含むと膨張、乾燥すると収縮し、ひび割れを起こすという性質があるのです。細かなひび割れがクモの巣のように広がることもあり、そうなると非常に見栄えが悪くなってしまいます。
緑化スリットでコンクリートの弱点をカバー
新築外構では、施工後にちょっとした欠点が見つかることが珍しくありません。「こんなはずではなかった」と後悔することのないように、素材の優れた点だけでなく弱点もよく理解しておきましょう。そのうえで有効な対策を施すことが、理想の外構の実現につながるのです。
コンクリートの駐車場の弱点をカバーする方法には、緑化スリットの設置があります。
緑化スリットがコンクリートの劣化を軽減
緑化スリットを設ける一番のメリットは、雨水が浸透するスペースを確保できることです。その結果、コンクリートに染みこむ水の量が減り、ひび割れの発生を抑制できます。また、コンクリート面をスリットで分割するため、内部で引っ張り合う力が分散し、経年劣化の軽減にもつながります。
駐車場の使い勝手やデザイン性がアップ
緑化スリット用の植物としては、芝やタマリュウなど生命力の強いカバープランツを用意しましょう。植物を植えたぶん、コンクリートの面積を減らせるので、ヒートアイランド現象の抑制になります。また、コンクリートのグレーに植物の緑が加わることで、デザイン的にも美しいアクセントが生まれます。
使い勝手の面では、駐車スペースの幅に合わせてスリットを配置することで、駐車位置の目安とすることができます。ただし、緑化部分を広くしすぎると、水たまりができやすくなったり、植物のメンテナンスに手間がかかったりといった、別の問題が起きる可能性があります。見た目と使い勝手を両立できるように、バランスよく配置しましょう。
有効な対策で、失敗のない外構デザインに
コンクリートの駐車場の弱点は、緑化スリットを配置することでカバーできます。希望する外構デザインを実現するためにも、予想される問題点とその対策について、経験豊富なプランナーのアドバイスを受けるといいでしょう。