

木々の葉が赤や黄色に変わる紅葉の季節、紅葉狩りに出かけるのも楽しみです。自宅の庭でも紅葉する木を植えて徐々に赤や黄色に染まっていく様子を楽しんでみませんか。紅葉を楽しむことができる庭づくりについてご紹介します。
紅葉する木を植えよう
紅葉する木には、もみじのように赤く色づくものから、イチョウのように鮮やかな黄色になるもの、ウリカエデのようにオレンジ色になるものなど、いろいろな種類のものがあります。植栽を選ぶときは、紅葉になったときの色をイメージしてみるといいでしょう。同系色の木で統一するプランや、黄色やオレンジを混ぜたカラフルな植栽プランなどいろいろ考えてみるのも楽しいですね。
なぜ紅葉するの?
ところで、なぜ紅葉する木としない木が存在するのでしょうか。実は、紅葉するのは、冬に葉を落とす落葉樹という種類の木々のみなのです。落葉樹とはその名前のとおり、低温や乾燥時期になるとすべて葉を落とす木々を指します。この落葉樹は秋になって気温が下がりはじめると、冬支度を始めます。葉への糖分や水分などの供給をストップして、栄養素を根や幹に溜めはじめるのです。栄養素が届かなくなった葉では、葉緑素という葉を緑にしていた物質が壊れて、これまでは見えていなかったカロチノイドという黄色い色素が表面に見えるようになります。これがイチョウなどの葉が黄色くなる原因というわけです。モミジなど葉が赤くなる種類では、葉の中に残った糖分がアントシアニンという赤い色素に変わることで葉の色も赤く変化します。
紅葉は、早朝の最低気温が5度くらいになると始まり、20日~25日後に見ごろとなります。
きれいに紅葉させるには?
同じ木でも、年によって紅葉の色がまったく異なることがあります。きれいに紅葉させるためには、3つの自然条件が重なる必要があります。
紅葉が始まってからの日中の天気がよい
赤い色素となる糖分は光合成によって作られています。太陽光が十分でないと赤い色素が作られません。
昼と夜の寒暖の差があること
葉が赤くなるためには、葉で生成された糖分が色素に変わる必要があります。ですが、夜の気温が高いと、色素を作る前に植物の活動に糖が使われてしまうため、色素の生成が十分にされなくなってしまいます。
適度な雨や水分があること
乾燥しすぎると葉が紅葉する前に枯れてしまうことがあります。適度に水やりを行いましょう。
自宅で紅葉する木を育てる際は、上記3点を気に留めて、日当たりのよい場所に植えたり、水の管理をすることによってより美しい葉の色を楽しむことができるでしょう。
紅葉が終わったら
紅葉が終わり、葉が半分以上落ちたころから初冬が剪定の時期になります。樹種によって最適な時期は異なりますので、タイミングを見極めて茂りすぎた枝を切って樹形を整えたり、不要な芽を取る芽かきを行って来年に備えましょう。
紅葉のあるガーデニングで四季を楽しもう
徐々に木々が紅葉していく様子は、四季のある日本のガーデニングだからこそ楽しめます。一年のなかで限られた短い間だけ見ることができる自然の美しさをぜひご自宅で味わってみてくださいね。