
植物がいきいきと育つ庭にするためには、十分な日照を確保するだけでなく、風通しをよくすることも重要です。植物にとって好環境となる風通しのいい庭は、私たち人間の住まいにもいい影響を与えてくれます。風通しのいい庭づくりのポイントを抑えて、住環境もより快適にしてみませんか?
植物にとっての風通しの重要性
植物が元気に育つには、日照や温度、適度な水分が必要ですが、同時に風通しのよい環境を作ることも重要なポイントです。風通しが悪い環境では空気がよどんで湿気もこもりやすくなり、梅雨のように湿気の多い時期は下葉が蒸れたり根腐れを起こしたりして、植物が枯れてしまう原因にもなります。
また、湿度の高い環境ではカイガラムシやうどんこ病といった病害虫が発生しやすくなります。特に、気温が高くなる春先から夏にかけては被害が大きくなりやすいため、注意が必要です。
庭の風通しがもたらす住まいへの好影響
庭の風通しをよくすることは、私たちの住まいにもさまざまなよい影響をもたらします
まず、庭の植物に病害虫が発生しにくくなり、薬剤を散布する頻度が下がるため、窓を開けて外の空気を取りこんだり、庭で子どもたちを遊ばせたりするときの安心感が高まります。また、風の通り道を作ることで日なたの熱せられた空気と日陰の涼しい空気の間で空気の循環が起こり、室内の急激な温度上昇や蒸し暑さを軽減することができます。夏場に窓を開ければ涼しい風が入ってくるため省エネにつながりますし、庭で作業をしたり食事をしたりするときにも、自然な空気の流れが心地よく感じられる空間になるでしょう。
風通しのいい庭にするには
隣家や塀に囲まれた庭では空気がこもりがちになり、風通しが悪くなってしまいます。そこで、塀の代わりにトレリスやフェンスを使ったり、塀の一部分に窓やスリットをあけたりして風の通り道を作ってみてはいかがでしょうか?
木材を使ったトレリスやフェンスは外からの視線を遮りつつ空気が抜ける隙間があり、庭の木々ともうまくなじみます。また、塀の一部分に窓やスリットを設けて外から見えるように樹木や花を植えこんだり、緑のカーテン風に仕上げたりするのも一興です。
寄せ植えをする場合は下葉が蒸れやすいので、あまり詰めすぎずに適度な空間を取って植えるのがおすすめです。枝葉の剪定や不要な葉の間引き、下葉の除去など、植物の成長に合わせた手入れもお忘れなく。
さわやかな風が通り抜ける庭に
木々の間を通り抜ける風は、涼やかで気持ちのいいものです。風通しのいい庭づくりは、人も植物も元気になれる環境づくりにもなります。快適な住まいにするためにも、さわやかな風が流れる庭づくりを実践してみませんか?